長 寿 村

 

これは、とある国の長寿村でのお話です。

ドキュメント番組のスタッフが長寿のウワサを聞きつけ、取材に行きました。

長寿の秘密を探ろうという企画の番組取材です。

村に入った取材スタッフは、さっそくお爺さんの家に行きました。

取材に応じてくれたお爺さんは、85歳だというのにとても元気です。

肌もツヤツヤして、腰も曲がっていません。

目も悪くないし、耳もよく聞こえているようです。

さすが長寿村です。

スタッフはお爺さんにインタビューを始めました。

スタッフ 「長寿の秘訣は何ですか?」

お爺ちゃん 「まず、暴飲暴食はしないことだね。」

スタッフ 「なるほど。」

お爺ちゃん 「毎朝早く起きて、日が暮れたら寝ることも大切だよ。」

スタッフ 「規則正しい生活を送るのですね。他には?」

お爺ちゃん 「深酒はいかん。ほどほどにな。」

スタッフ 「少しはいいんですね。酒は百薬の長と言いますからね。」

お爺ちゃん 「忘れてならんのは、タバコじゃ。絶対にいかん。」

スタッフ 「なるほど、体にいいわけないですものね。」

その時、老人がドアを開けて勢いよく入ってきました。

老人 「うぃ〜、ひっく。」

見ると、右手にはほとんど空になった酒瓶、

左手は肌もあらわな女性の腰に手を回し、

口にくわえた葉巻からは、もうもうと煙があがっています。

その老人は真っ赤な顔をしていますが、すごく元気そうです。

スタッフ 「あのぉ、あの方はどなたですか?」

お爺ちゃん 「あぁ、あれは私の兄です。」

 

おしまい

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