5日目 (2007/11/16 mon)
     

 旅行に行くと、ついあれもこれもと思ってしまいがちです。 私たちも最初の頃はそういう旅でしたが、最近はちょっと考え直しています。

 そういうことで今日は近場でのんびりしようということになり、上環の街歩きをすることにしました。 いくつかチェックしておいたお店もあるので、そんなお店を探しながらのお散歩です。

 夜は今回の旅行のメインイベントである大閘蟹コース。 初めて食べるのですんごい楽しみです。

     
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朝はのんびり  

 管理人は7時半ごろ起床です。 最近なんだか早く目が覚めちゃうんですよね。 これって・・・

 パソコンをいじりながらちんたらしていると、管理人の管理人は8時半ごろ起きだしてきました。 それではさっそく行動開始・・ではなく2人とも動く気配がまったくありません(笑。 明日は午前便で帰らなくちゃならないので、今日が実質の最終日。 その最終日をどのように過ごすかを決めなきゃならないんですが。

 しばらくあ~だこ~だ話し合って出した結論は、「今日はのんびりしよう」。 せっかく上環にいるのですから、事前にいくつかチェックしておいた上環のお店を探しながらゆっくり街歩きすることにしました。

上環の街歩き開始



歩いたのはこの辺

 10:30 ごろ行動開始です。 まず最初はチェックしてあったお店「齒來香」を目指すことにしました。 齒來香は香港伝統の駄菓子を今も作り続けているお店です。 地図によるとホテルからそう遠くないところにあるようですね。

 私たちはホテルを出て徳輔道西(トラム道)を渡り、そのまま正面に見えている正街を進みました。 この辺は西營盤(さいいんぷん)と呼ばれる地区で、平行している東邉街(Eastern St.)、正街(Centre St.)、西邉街(Western St.)の3本の通りの間にはたくさんのお店があります。 正街はその中心となる通りで、車も人も多いですね。

  粥屋  麵屋  茶餐廳  食料品屋

 正街を進んでいくと順に、皇后大道西、第一街、第二街、第三街、高街と交差しますが、最初に交差する皇后大道西(Queen's Rd. W.)あたりから少しずつ上り坂になります。 坂はだんだん急になって、第一街(First St.)、第二街(Second St.)あたりからはかなりな急坂。 下から見上げると、それだけで息が切れそうですね。

 ゆっくりゆっくり街並みを楽しみながら進んでいくと、第一街あたりに建物と建物をつなぐ空中歩道が見えます。 何だろうと思いながら近づいて行くと、空中歩道(行人天橋)が突き出している建物は私たちの大好物、街市じゃないですか。

 地図を見ると右側に正街街市、左側に西營盤街市と2つの街市が道を挟んで建っていて、空中歩道は2つの街市を結んでいるようです。 こんな近くに2つの街市があるのは珍しい。 とりあえず街市の前を素通りすることがあり得ない私たちです。 さっそく入ってみることにしました。

賑わっている正街

皇后大道西
あたりから
上り坂になる

空中歩道が見える

急坂の先には
高層住宅群

正街街市



街市の場所
 最初は右側にある正街街市です。

 エスカレータで上がるようになっていますが、その脇に街市の見取り図がありました。 なるほど、こうなっているのね。 って見りゃ分かるけど(笑

 エスカレータで上がってみると、いつもながらの街市の風景ですね。 いろいろな生鮮品のお店が所狭しと並んでいます。 まだ11時前なのにお客もけっこう多いです。 昼飯の買い物に来ているのでしょうか。

 ところで3番目の写真には2つのお店が写っています。 右は豆腐とモヤシの店、左は蛋(卵)の店ですね。 その蛋屋にある黒いものお分かりでしょうか?

   拡大図

 これ鹹蛋(はむだん)です。 アヒルの蛋を灰と塩を混ぜた水に漬け込んでから取り出し、25~30日寝かせたものです。 炒め物に混ぜたり、茹でてゆで卵のようにしたりして食べるそうです。 また弾力を持った黄身はチマキや中秋節の月餅に入れるそうですが、そういえばシンガポールで買った月餅に入ってたなぁ。 あれ鹹蛋だったんだ。

 ガイドブックによると、上環にはこの鹹蛋を扱っている問屋が多いらしいです。 だからこの地区の街市で売っているのでしょうか。 よその街市でも普通に見かけたような気がするけど・・・ま、いっか。

 
正街街市に入る
エスカレータ


果物屋


蛋屋と豆腐屋
行人天橋  次は西營盤街市です。 行人天橋で道路を渡って空中から入ります。 行人天橋を渡るときに外を見ると、ほぉ、なかなかの景色だ。

 私たちが来た坂の下の方を見ると正街の通りが臨まれ、ビルの間には海が見えています。 よく見ると白い船が通ってますね。

 逆に山の方を見るとすごい急坂になり、その先には香港特有の細長くそびえる高層マンション群。

 どちらもいかにも香港らしい景色。 こういうの眺めてるだけで飽きません。

 ちなみに山側の急坂、その傾斜はすごいもんです。 だって横から見るとこんなですもん。 毎日この坂を上り下りしてたら、きっと足腰が鍛えられることでしょうね。
ビルの間から
海が見える

山側はすごい坂
その向こうには
マンション群

西營盤街市

 行人天橋を渡って西營盤街市に入ってみると、こちらも正街街市と同じように買い物客がかなり多いです。 奥さんたちだけではなく、おっさんや爺さんの姿も見えます。 旦那さんが買い物に来ているのでしょうか、それともどこかの飲食店の仕入れで来ているのでしょうか。

 しかしいつも思うのですが、香港のお店はディスプレイが美しいですね。 特に果物や野菜の積み方がとても綺麗。 一般的にがさつな感じがする香港ですが(失礼)、果物や野菜の積み方だけはいつ見ても感心します。

 そんなお店をしばらくぶらぶら見て周ってから、私たちは街市を後にしました。

魚も亀も
もちろん生きてます

きれに並べられた
いろいろな野菜

どこも
かしこも
かなりな人出
齒來香めっけ



齒來香の場所
 香港伝統の駄菓子の店「齒來香」に向かっていたのに、街市を見つけてつい寄り道してしまいました。 寄り道はいつものことですが(笑

 齒來香はトラム道から4本目の第三街(Third St.)にあります。 西營盤街市は第二街と第三街の間にあるので、もうすぐそばのはずです。

 第三街を右に曲がってみると・・・あ、あれだろ!! すんごい分かりやすい看板があったので、すぐに分かりました。

 さっそく入ってみると、それほど広くない店内なのにすごくたくさんの駄菓子が並べられていました。 どれも美味しそうですね~。 こういうの大好きです!!

 お菓子はたぶん数十種類あったと思いますが、そんな中でもいちばん有名なのが鮮椰汁鳳凰巻。 たっぷり卵が入ったココナッツ風味の焼き菓子です。

 しばらく物色してから、鮮椰汁鳳凰巻を含めて5種類の駄菓子を買いました。

 ちなみに鮮椰汁鳳凰巻は後で食べましたが、サクサクと気持ちのいい歯ごたえで、控えめな甘さです。 ありがちなお菓子と言えばそうかもしれませんが、香港伝統の味ですから、機会があったら皆さんも試してみてはいかが?
齒來香

鮮椰汁鳳凰巻

店の奥では
職人さんが
お菓子を
作っています

たくさんのお菓子
たくさんのお菓子
たくさんのお菓子
高街を進む



歩いたのはこの辺
 齒來香を出た私たちは、第三街のもうひとつ上の高街(High St.)まで行き、そこで左に折れて上環方面に行くことにしました。 特に目的のないぶらり歩きなので、行き当たりばったりです。

 急な坂を上って高街との交差点まで行き振り返ってみると、おぉずいぶん登ったなぁ。 ちょっと息があがってます(歳か・・。

 今上がってきた正街を中心に、交差する第一街、第二街、第三街、そして高街は西營盤地区の中心です。 だからお店が実に多い。

 高街のさらに上はマンションが立ち並ぶ住宅区域になるので店は減りますが、高街はまだ商店街の風情ですね。 そんな高街を私たちは上環方面に進みました。

 高街には自動車修理工場が多いです。 香港の街を歩いていると、同種のお店が連なっていることが多いのですが、ここではそれが自動車修理工場でした。

 さらに高街を行くと東邊街との交差点に出ますが、その左前に公園が見えてきました。 佐治五世記念公園です。 そして公園の手前角のところには大きなガジュマルの木がありました。

 このガジュマルすごく立派なのですが、ガイドブックによると御神木だそうです。 ガイドブックにはただ御神木と書いてあるだけなので、由来などの詳しいことは分かりません。 すみません。

 私たちはこの御神木を見上げながら一服し、これからどう進むかを検討です。 地図を見るとこれから先の高街には横道が少なく、このまま進むとだいぶ先まで連れて行かれてしまいそうです。 できれば途中で左に折れて上環の中心地区に行きたいので、道ひとつ下って醫院道(Hospital Rd.)に行くことにしました。
正街と高街の
交差点

交差点から観た
海方面の景色


交差点から観た
山方面の景色


高街の風景


ガジュマルの木

御神木だそうです

東邊街から醫院道へ



歩いたのはこの辺
 高街を左に折れて佐治五世記念公園を右に見ながら東邊街(Eastern St.)を進み、次の交差点を右に曲がれば醫院道です。

 東邊街は静かな通りでした。 お店もなく緑が多くて、人通りもほとんどありません。 さきほどまでの正街とはえらい違いですね。

 東邊街をゆるゆると下り、次の交差点を公園に沿って右に曲がりました。 この通りが醫院道です。 ちなみに左に曲がれば第二街です。 つまりこの交差点が醫院道の西の端ということになりますね。

 醫院道に入ると、さらに緑が多くさらに静かな感じがしました。 なんだか香港っぽくないなぁ。 でもこういうのもいいかも。

 右側には佐治五世記念公園が見えているのですが、公園には御神木以外にもとてもたくさんのガジュマルがあります。 そのガジュマルなんですが、崖に生えている木の根がすごいんです。 面白いので思わず写真撮っちゃいました。

    ガジュマルの根1
    ガジュマルの根2
    ガジュマルの根3

 思わず撮っちゃったと言えば、もう1枚タクシーの写真もあります。 通りかかったタクシーの屋根にあったのは、香港名物の立体オブジェ。

    タクシーの立体オブジェ

 これCMだそうですが、こんなんで宣伝になるんでしょうか。 ちょっと見にはただの飾り物ですもん。 しかもあまり気持ちよくないし(笑

 公園が途切れるあたりに来ると、左側には病院や診療所が続きます。 醫院道の名前の由来かな。 右側には変電所(たぶん)がありました。

 さて上環の中心地区に下るには、そろそろ左に行く道を探さないと。 地図によれば普仁街(Po Yan St.)という細い道があるはずだったのですが・・・どうやら見落としたらしい。 ということで実際に曲がったのはその次のわき道、磅巷(Pound Lane)でした。
東邊街

醫院道へ入る

左側は病院
右側は変電所

そろそろ左に行く
道を探さないと

磅巷から

荷李活道へ
 磅巷に曲がってみると・・・なんじゃこれ? 道じゃなくて階段じゃん。 そうなんです。 ガイドブックの地図では道に見えるのですが、実際には階段でした。

 磅巷を下れば順に、律打街(Rutter St.)、普慶坊(Po Hing Fong)、太平山街(Tai Ping Shan St.)と交差し、荷李活道(Hollywood Rd.)に出られるはずです。 私たちは、ちょっと壊れかけた箇所も見受けられる階段(磅巷)を、ゆっくり慎重に下って行きました。

 荷李活道の1本手前の太平山街まで来たとき、その角にとても気になるお店を発見。 科記珈琲餐廳という名前のそのお店は、ローカルの香りがプンプンしています。

 きっと英語メニューもないんだろうなぁ。 入ってみたいなぁ。 どんなコーヒー出すんだろうなぁ。 と、しばし店の前で逡巡しました。

 でも時刻はもう 12:00 ちょっと前。 そろそろ昼飯どきです。 ここで昼飯にしてもいいのですが、昼飯をどこで食べるかはすでに決めちゃってます。 涙を飲んで、先に進むことにしました(う~ん、残念。

 太平山街を過ぎると、その先すぐの通りが荷李活道です。 荷李活道はこれまでに何度も何度も通っているので、なんだかとてもホッとした気分になりました。
磅巷は階段だぁ


ずっとずっと階段


太平山街との
交差点にあった
科記珈琲餐廳



磅巷から荷李活道へ
出たところ
摩羅上街に寄り道  さて荷李活道に出た私たちは右に折れて、樂古道(Lok Ku Rd.)に向かいました。 樂古道と聞いてピンときた方は、きっと香港が大好きな方ですね(^^)。 そうなんです、樂古道と樓梯街(Ladder St.)の間にある短い通りが、あの有名なキャットストリート(摩羅上街)です。 こんなに近くまで来たのでちょっと寄って行くことにしました。

 私たちは荷李活道を少し進み、左に折れて樂古道に入りました。 樂古道も半分階段の道です。 その階段をちょっと下って右のわき道に入ると、摩羅上街(Upper Lascar Row)、別名Cat St.です。

 キャットストリートは怪しげなお土産がたくさんあることで有名ですが、以前のような活気は感じられません。 この日も観光客の姿はちらほらでした。

 それでもキャットストリートは面白いです。 並べられている変てこな物を見ているだけで飽きません。

 一部のお店は、何を売っているのかさえ分からない。 言葉が通じれば何の商売か分かるのでしょうが、香港語を操れない身分ではどうにもなりません。

 お店を冷やかしつつ写真を撮りながら、私たちは樓梯街に向かってゆっくりと歩きました。
摩羅上街

客の姿はちらほら


あの人
なんか買いそう


無いものは無い!

仏頭のレプリカ

毛沢東時計は健在

巻物?
しかし無造作な
ディスプレイですな

宣伝のグラス
誰か買うの?

粗大ごみじゃ
ないですから
売り物ですから

火鉢の中に瀬戸物
売れるのかなぁ・・

電球のディスプレイは
いかがなものかと

謎のお店
まじで何のお店か
分かりません
心に決めた昼飯へ  摩羅上街の寄り道を終えた私たちは、心に決めていたお店へ昼飯に行くことにしました。 お店は上環のフェリーターミナルにあります。

 摩羅上街の東の端を左に折れて樓梯街を進み、皇后大道中(Queen's Rd. Central)に出ます。 そして右に曲がって少し歩いて今度は左に曲がって禧利街(Hillier St.)に入りました。

 禧利街には、管理人が一度は入ってみたいお店があります。 左側を見ながら歩いていくと・・・あった!!

 そのお店は蛇王林。 名前の通り蛇専門店で、店の中にいろいろな蛇がうじゃうじゃいる様子がテレビで紹介されていました。 管理人は蛇に嫌悪感を持っていないし、できれば食べてみたいと思っているくらいなのでこのお店ぜひ入ってみたい。

 がしかし、管理人の管理人は蛇が大嫌いなんですよね。 見るのも嫌、近づくのも嫌、触ったり食べたりなんか冗談じゃない・・・だそうです。

 ということで、残念ながら店内見学は諦め写真だけ撮って蛇王林はスルー。 うぅ、後ろ髪引かれまくりですぅ(悲。

 その後しばらく歩いて徳輔道中(Des Voeux Rd. C.)を渡り、地下鉄の上環站を過ぎて海に向かって少し行けばフェリーターミナルに到着です。
 目指していたのはこのターミナルの2Fにある吉野家でした(笑。 いろいろ期待してた方、ごめんなさい。

 吉野家は以前から一度は食べてみたいと思っていました。 しかしなかなか入る機会がなく、今回やっと食べられます。

 管理人は東坡肉飯餐($38)、管理人の管理人は牛肉煎雞雙併飯餐($34)です。

 どちらのメニューにもある最後の字「餐」はセットの意味で、東坡肉飯餐は

   東坡肉飯大盛り
   鹵蛋 半隻(ゆで卵 半分)
   麵鼓湯(味噌汁)
   泡菜(キムチ)
   甜品(ライチーゼリー)
   16安士汽水 又は 日本茶

牛肉煎雞雙併飯餐は

   牛肉煎雞雙併飯
   16安士汽水 又は 麵鼓湯 又は 日本茶

のようなセットメニューでした。 16安士汽水の「汽水」はソフトドリンク、16安士は重さで16オンスのことですね。

 東坡肉(トンポーロー)はちょっと甘めでちょっと濃い目の味付けですが、なかなかイケてました。

 牛肉煎雞雙併飯の左半分は日本の牛丼そのものです。 味も食感も日本で食べるものとほとんど変わりありません。 右半分は焼いた鶏肉で、タレは濃い目でしたが、これもなかなかイケてます。

 問題は飯ですね。 長細くないのでインディカ米ではなく日本の米だと思うのですが、パサパサなんです。 香港では粘っこい飯は好かれないので仕方ないかもしれませんが、個人的にはもうちょっとふっくら炊いてほしかった。

 付け合せのキムチは、何でキムチなんでしょ。 日本なら漬物になるところなんでしょうが、ひょっとして豚キムチのノリ?

 甜品はスイーツのことなのでいつもライチーゼリーなのかどうかは分かりません。 このゼリー、味はさっぱりとしていいんですが、なんだか固かった。 プルンとした食感を期待して食べたら、スプーンがすっと入っていかないほど固いんです。 これは研究の余地が・・・。

 以上、密かにあこがれてた香港吉野家の感想でした。 期待しすぎちゃいけないってことかな。
禧利街

管理人あこがれの
蛇王林

今日の昼飯は
ここだ!

東坡肉飯餐


牛肉煎雞雙併飯餐


泡菜


麵鼓湯


甜品

陳意齋めっけ  昼食の後は、これもガイドブックでチェックしてあった駄菓子の店「陳意齋(チェンイーチャイ)」に向かいました。 皇后大道中沿いにあるので、さっき来た方向へ戻る感じですね。

 このときどの道を通ったのかはっきり覚えていないのですが、林士街(Rumsey St.)か永和街(Wing Wo St.)のどちらかでしょう。 確率的には林士街の可能性が高いと思います(まるで他人事のような解説)。

 歩いていると、道端でジュリアナ扇子のようなものを売っていました。 なんだろ? ひょっとして太極拳ダンスするときに手に持つやつかな。

 そのちょっと先では、カラフルな毛バタキのようなものの売店もありました。 これって車の埃取ったりするやつ?

 そんな風景を楽しみながら皇后大道中まで戻りました。 ガイドブックの地図によれば右に曲がって少し行けば左側にあるはず。 と思いながら探していると・・・あった! 陳意齋の看板が見えます。

 さっそく入ろうとしてみたら、なんだか様子が変です。 シャッターが半分閉まり、客の姿がありません。 どうなってんだ? ん? 貼り紙があるぞ。

 ふ~ん、なるほどね。 店舗移転したのね。 手狭になって移転したのでしょうか。 儲かってまんな。

 これデジャブです。 以前西貢に行ったとき、満記甜品が移転しててあせったことがありましたが、状況がそっくり。 香港では店の移転、閉店、開店、巴士乗り場の移動など、最新版のガイドブックでも追いつかない状況が間々あります。 香港の街は生き物なんですね。

 貼り紙の地図に従って行ってみると、おぉ、あったあった。 ずいぶん広くて綺麗なお店ですね。 店内は客があふれて、レジはすごい混雑。

 人を掻き分けながらしばらく物色し、お土産をいくつか購入しました。

 このお店で有名なのは

   燕窩糕  ツバメの巣入り焼き菓子
   盲公餅  ピーナッツ入り焼き菓子
   杏仁餅  杏子の種が丸ごと入った焼き菓子

です。 もちろんこの3種は買いました。

 ちなみに杏仁はアーモンドのことだと思っていましたが、正式には杏子の種だそうです。 日本でよく使われるアーモンドは代用品なのですね。 この店の杏仁餅には、ほんとの杏子の種が入っているらしいです。

 それから買ったものを後で食べてみたところ、個人的にはけっこういけると思いました。 でも粉っぽい感じがするので、好みは分かれるかもしれません。
皇后大道中へ向かう


陳意齋めっけ


あれ?
シャッターが
半分閉まってる


貼り紙があるぞ


ほんとの陳意齋
めっけ


盲公餅


品揃えは豊富
満記甜品で一休み  買ったお土産がかさばって荷物になるので、私たちはいったんホテルに戻ることにしました。 がその前に満記甜品に寄り道です。 少々疲れてきていることもありますし、こういうときは甘いものしかないでしょ。 時刻も 14:20、おやつにちょうどいい時間ですもん。

 満記甜品はトラムの上環站のすぐ近く、ウェスタンマーケットの並びにあります。 トラムに乗るほどの距離でもないので、徳輔道中(Des Voeux Rd. C.)をぶらぶら歩いていきました。

 しかし人が多い。 広いとは言えない歩道は人で溢れかえっています。 ちと歩きにくい。

 満記甜品は半分ほどの入りでした。 満記甜品は西貢が本店ですが、上環のお店がチェーン店なのかフランチャイジーなのか分かりません。 新港中心には手造甜品というお店があり、満記甜品の姉妹店との触れ込みでした。 これも現在どうなっているのかよく分かりません。

 ここでは次のようなものをオーダーしました。

   芒果布甸 $17
   芒果班戟 $18
   海底椰西米露 $21
   木瓜西米露 $21

 芒果布甸はマンゴープリンです。 もう説明の必要はありませんね。 これ普通に美味しいです。 なによりもマンゴーが新鮮なのでしょう。 まるでマンゴーそのものを食べているような感じでした。

 芒果班戟はマンゴーパンケーキで、これも説明の必要はないでしょう。 うちのページでは何度も登場していますし(手前味噌(笑。 ほんと、いつ食べても美味しいですね。 香港に行くときはもれなく食べてます。 一言で言えば「ハマってる」。

 海底椰西米露は、海底椰という果物のジュースです。 海底椰は英語でSea Coconutと言い、水辺に生える果物です。 殻を剥くと硬めのゼリー状でほのかな甘みがあり、デザートに使われることが多いそうです。 今思えば、2006年に行った元朗の佳記甜品で食べたB仔涼粉に入っていた謎の物体のひとつはこれだっだのでしょう。 今回はそのジュースを頂いたのですが、これ要するにココナッツミルクですね。 さっぱりした甘みで美味しいです。

 木瓜西米露はキウイジュースです。 これは酸味が強くえぐさもあるので、好みが分かれるかもしれません。 管理人の管理人は美味しいと言っていましたが、管理人はちょっと不得手でした。

 以上で上環の街歩きは終了。 私たちは 15:08 ごろトラムでホテルに帰りました。
上環の満記甜品


芒果布甸


芒果班戟


海底椰西米露


木瓜西米露


コンデンスミルク
っぽいソース

使いませんでした
裕華國貨でお土産をゲット

 ホテルには1時間ほどいて、16:10 ごろ行動開始です。 大閘蟹の予約は 19:00 ですが、その前にお土産を買おうということになり、早めに出陣しました。

 ホテルを出てトラムに乗ろうと歩いていると、ちょっと気になるものを発見。 ベルトポーチです。 ワゴンに山積みにされていて、値段を見ると1個 $10。 安っ。 便利そうなので2個買いました。

 これベルトに通して使うポーチで、免許やカードを入れておくのにいいです。 入れ口は2個あるので財布代わりにもでき、管理人は重宝してます。 ただちゃちなので、壊れやすいのが難点かな(笑

 その後向かったのは尖沙咀の裕華國貨です。 トラムで上環まで行き、地下鉄で尖沙咀に行きました。 尖沙咀のC1出口(南の端)から出て北京道(Peking Rd.)を西に歩けば、九龍公園徑(Kowloon Prak Rd.)にぶつかった右角が裕華國貨です。

 裕華國貨に着いてみると・・・あれ? 改装中なの? 聞いてないよ!!

 仕方ありません。 私たちは彌敦道(Nathan Rd.)まで戻り、佐敦(ジョーダン)の裕華國貨に行くことにしました。 佐敦は地下鉄で1站ですが、わざわざ地下に潜るのもめんどくさい。 ここはひとつ巴士で行きましょう。

 香港に行き始めた頃は、巴士が全然使えませんでした。 路線が複雑で車内での案内もなかったので、とてもじゃないけど無理。 でも巴士の中に電光掲示板が設置されて次の巴士站が案内されるようになったおかげで、今ではわりと気軽に巴士を利用することができるようになりました。 自分たちが香港に慣れて、土地勘が養われてきたこともあるかもしれませんが・・・

ベルトポーチ
1個 $10
便利です


尖沙咀から
佐敦まで
巴士で移動


佐敦の裕華國貨
尖沙咀裏通りをうろうろ

そして半島酒店アーケードへ

 裕華國貨でいくつかお土産をゲットした私たちが次に向かったのは、ペニンシュラホテル(半島酒店)です。 今度は巴士でなく地下鉄で尖沙咀まで戻りました。

 尖沙咀の站を出た私たちは、站近くの裏通りをしばらくうろうろ歩き回りました。 香港最後の夜、とても名残惜しい。

 北京道(Peking Rd.)、亜士厘道(Ashley rd.)、漢口道(Hankow Rd.)など、香港に行き始めた頃に探検していた場所です。 今ではどこに何があるか、だいたい把握できるようになりました。 感無量。

 しかしこの辺りは変化が激しい。 最初の頃に通っていた餐廳や小食などの飲食店、チープなお土産を売っていたお店などいくつもなくなっています。 そして後にできたお店はなかなか小奇麗。 こういった変化は仕方ないことなのでしょうが、B級グルメ大好きな私たちとしては、少々寂しいですね。

 などと感慨に耽りながらしばらくぶらぶら歩き回ってから、半島酒店に向かいました。

 半島酒店の地下にあるアーケードにはチョコレートショップがあり、香港に行ったときはほぼもれなく訪れています。 ここのチョコ美味しいんですよね(高いけど。 お手ごろ価格なのは、ポテチやプレッツェルをチョココーティングしたものです。 お土産にいいですよ。

 今回はチョコレートではなく、紅茶を買いました。 これも安くはありませんが、お土産として喜ばれます・・・と思います。

北京道


亜士厘道


北京道と
漢口道の交差点


漢口道にある
PARKnSHOP

半島酒店
チョコレート
ショップ
紅茶をゲット
中環の夜景  半島酒店での買い物を終えた私たちは本日のメインイベント、いや今回の旅行のメインイベントの会場がある中環へ地下鉄で移動しました。 大閘蟹を食べに行くんじゃーっ(鼻息ターボ。

 予約してあるのは、中環の東、干諾道中(Connaught Rd. Central)と遮打道(Chater Rd.)の間にある和記大厦にある紫玉蘭(Shanghai Garden)というお店です。

 中環に着いたのは 18:18、予約は 19:00 なのでまだちょっと早い。 皇后像廣場で一服です。

 一服しながら辺りを見回すと、もう暗くなってきているのでビルのイルミネーションがとてもきれい。 ほんと香港の夜景ってきれいですよね。

 一服を終えた私たちは、遮打道をゆっくり歩き始めました。

 中環は香港島の中心地区で、ビジネス街の趣が強い地域です。 建物の多くは商業ビルやビジネス客目当ての大きなホテルで、どの建物も夜になると電飾で着飾ります。 そんな建物の写真を撮りながら、昃臣街(Jackson Rd.)、會所街(Club St.)を通り過ぎて進みました。

 と、正面に和記大厦が見えてきたぞ。 着いた~♪ いよいよ大閘蟹じゃ~。
皇后像廣場そばの
プリンスビル太子大厦


マンダリンホテル


立法會大樓ごしに
プリンスビル太子大厦


和記大厦の
紫玉蘭
大閘蟹を食らう  スタバを左に見ながら1Fの入り口を入ると、すぐに階段があります。 紫玉蘭は2Fなんですね。

 予約してある旨をスタッフに告げると、すぐ席に案内されました。 時間が早いせいなのか、まだほとんどのテーブルは空席でした。

 いくつかあるコースから選んだのは、大閘蟹套餐です。 1人 $480 で2人からオーダーできるコースでした。

 さて待つことしばし、最初に運ばれてきたのはコースメニューにないサラダのような小皿とお茶です。 小皿は突き出しに当たるのでしょうか。

 小皿は、豆腐、キュウリ、丘クラゲ(たぶん)、枝豆、ピーナツを一口サイズにカットしたサラダでした。 味はなかなかいいのですが、ラー油がビシバシ効いていて喉に来る辛さです。 それでも箸が止まらなかったのは、けっこう美味しかったってことですね。

 お茶は茉莉花茶(ジャスミンティー)でした。 ソーサー付きの持ち手カップで供されているのは、英国文化風ってことなのでしょうか。 紅茶のノリですもん。

 お茶はもちろんお代わり自由で、きれいな花柄ポットが置かれました。 ポットのお代わりが欲しいときには、フタをずらしておけば継ぎ足ししてくれるのでしょう。

 ここからコースメニューに突入です。 それでは一品ずつ紹介しましょう。
突き出し


茉莉花茶
(ジャスミンティー)


お代わり自由
コース1
海蜇皮排盬水鴨
コース2
原盅雞燉翅
コース3
清蒸大閘蟹
 アヒルとクラゲの冷菜です。
 アヒルは皮が厚く、アヒル特有のクセがありました。
 タレはマスタード風味で、たぶんクラゲ用だと思います。 このタレ、なぜかセメダイン風の香りがしました。 ショウユで食べたらきっと美味しいだろうなと思いつつ食べてました。
 たっぷりの鱶鰭に鶏肉と金華火腿を加えたスープです。 塩味がきつめで、ちょっと埃っぽいようなクセがありました。 このクセ、だめな人がいるかもしれません。
 私たちは、飲んでいるうちになぜかクセが気にならなくなりましたが。
 長い間憧れていた大閘蟹の蒸し物です。 黒酢のタレが付いてきましたが、これは甘すぎましたね。 ほとんどタレなしで食べました。
 写真の蟹は食べやすいように処理した後、元通りの形に整えたものです。 処理は係の人がやってくれます
 これは文句なく旨かった。 身ももちろん旨いですが、何しろミソがいいです。 濃厚で卵の黄身のよう。 ちょっと高いですが、経験しておいたよかったと思いました。
コース4
龍井炒蝦仁
コース5
蟹粉■豆苗
コース6
蟹粉小籠包
 新鮮な蝦をお茶の葉といっしょにソテーした料理です。 薄味で蝦の味を楽しむことができ、クセがなくて美味しかった。 蝦につけてある下味がいいですね。  蒸し煮にした豆苗に、蟹の身と卵のアンをかけた料理です。
 独特の香りはありましたが、豆苗の茹で加減もいいし、なかなか旨かった。
 大閘蟹が入ったちょっと大き目の小籠包です。 これかなり旨いです。
   小籠包の中身
 ただ添えられてきた黒酢のタレがどうも・・・
 ショウガとショウユで食べたらもっと美味しかっただろうなぁ・・・
コース7
桂花糯米拉糕

  ●ちょっとした問題●

 コース4のあとコース5が供されるまで、なぜか10分以上待たされました。 こういうのってちょっとシラけますよね。
 もち米で作ったデザートです。 甘いソースがかかっていました。
 食感はういろうに近く、キンモクセイの香りです。
 管理人はそこそこ美味しくいただけましたが、管理人の管理人の舌には合わなかったようです。
紹興酒
話梅
ジンジャーティー
 管理人の管理人がオーダーした紹興酒です。 かなり美味しかったらしいです。
 左の瓢箪型ボトルが紹興酒で、右のポットは冷やすためのものです。 ポットの壁が二重になっていて、間に氷が仕込んであります。
 紹興酒に添えられてきた干し梅で「わーむい」と言います。 日本の梅干とは全く違うもので、酸味がなく甘みがあり、少し漢方っぽい香りがします。
 そのまま口に入れて楽しんでもいいですし、紹興酒や老酒に入れてもいいそうです。
 蟹の後に出されたジンジャーティーです。
 かなり辛みがあり、喉を刺すような感じですが、蟹臭さを洗い流してくれる効果があります。 辛みの後ろにほんのりした甘みもありました。
 以上がお一人様 $480 (\7,200) の大閘蟹コースの全貌です。 憧れていた大閘蟹は、裏切られることなく美味しかった。 特にミソにはびっくりしました。 日本で食べるカニミソとは全然別のものと言ってもいいでしょう。 経験できてよかった。

 総合評価は

   管理人   85点
   管理人の管理人   80点

です。

 21:10 食事終了。 2時間以上も食べていたのですね。 香港最後の食事を終えた私たちは、外に出て一服してから、トラムでホテルに帰りました。

 明日は朝便で帰ります。 荷造りしなくちゃ(寂
管理人の管理人の

独り言

 管理人は日本にいると方向音痴なのに、なぜか香港に着くと方向音痴でなくなる。 匂いなのか、気候なのか未だに分からない。 今回の街歩きの堂々とした後姿はアッパレでした。


本日の万歩計  11514